産みの苦しみ

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産みの苦しみ

ある程度の年齢になれば誰でも自然と、人の気持ちが分かるようになってくると思います。人生経験を積み重ねるうちに、想像力が豊かになるからでしょう。自分に降りかかった問題ではなくても、これまでの自分の体験のなかから似たような体験を探してきて、人の気持ちにシンクロしようとする。でも私にとっての出産は、この手法での想像力が全く当てにならなかった出来事です…。産みの苦しみについては昔から母親に何度も聞いていたのに。それどころか、助産師になってから毎日のようにお産の現場に立ち会っているというのに(笑)

「生理痛を何百倍も強くしたような痛みが断続的に来る」「おなかではなく、腰が痛い」「鉄の塊でおなかと腰を打ち続けられているような…」陣痛の辛さについて質問すると、たいていこのような返事が返ってきました。だから妊娠してからというもの、私は毎日のように陣痛の痛みをイメージしながら、呼吸法の練習をしていました。昔から人一倍生理痛が強かった私にとって、鳥肌が立ち、吐き気・めまいを伴うような激しい生理痛を想像することは簡単でした。心のどこかで「何年間にもわたって生理痛でデモストしてきたようなもんだから、イケるっしょ?!」っていうくらい甘く考えていた部分もあった程です。

それなのに…実際に陣痛が本格的になりだしたころにはもう、泣いていました。生理痛を強くしたような…って、全然そんなのウソ!生理痛とは全く異質の痛みに感じられたのは、私だけ?結局私は微弱陣痛の為最終的に陣痛促進剤で誘発して、36時間もかけて長女を出産しました。痛いことよりも長過ぎたことが辛かった。イメージトレーニングでは初産の平均所要時間くらいで終了していたはずなのに…。

女性で、しかも助産師である私でも、想像もできなかった激しい痛みと感動を味わってしまいました。36時間ずっと付き添ってくれた旦那の目には、激しい痛みで苦しむ私の姿はどんなふうに映っていたんだろう…。