特定行為研修

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点滴やペースメーカーの管理など”特定行為研修”によって医師への報告は事後でよくなる!?

厚生労働省から発表された『看護師の特定行為研修の概要について』 によると、2025年に向けて「特定行為研修」の制度がはじまるようです。

この特定行為研修というのは、どういうことかというと、今までは看護師は医師の指示のもとでしか医療行為を行えませんでしたが、 研修を受けることで「医師への確認」が必ずしも必要にならないということになります。

例えば、今まで点滴の分量を変更するにしても、医師との連携のもと、医師がその状況を把握し看護師に指示を出してから処置をする。というのが 仕事の流れでした。

しかし、今後は医師が作成した「指示書」を確認して、「指示書」にある病症の範囲内であれば看護師の判断で、点滴の投与量の調整なんかができるようになります。

これによって、今まで必要だった医師への「報告・連絡・相談」の部分が後回しにできることになり、なにか処置するにしても作業フローが軽減されます。 看護師のなかで「この処置のために、わざわざ医師に確認する必要あるのかな」という部分があったかもしれませんが、そういった煩わしさもなくなるかもしれません。

2025年までに10万人の看護師が”特定行為研修”を受講することを想定

この特定医療研修ですが、看護師であれば誰でも出来るわけではなくて、ちゃんと研修を受講する必要があります。

共通科目では315時間!の講義や実習が必要となり、また「腹腔ドレーン管理関」「栄養及び水分管理に係る薬剤投与」といったように科目別でも 約20時間〜70時間といった受講が必要になります。 通常の勤務に加えて、これだけの講義を受けることになるとどれだけ時間がかかるのかという心配もあります。

研修の一部免除もあるようですが、相当の負担になることは変わりませんので、25年までに10万人達成できるのかどうか気になるところです。

看護師の上位資格としての位置づけになる?

現在でも、看護師には「認定看護師」といった通常の看護師資格より上の資格が存在しています。 今回の「特定行為研修」ですが、100万人以上いる看護師のうち10万人の受講を目指すということですから、実に10人に1人しか受けられないことになります。 これまでの認定看護師の位置づけと近いものになるかもしれません。

特定行為の”21区分”とは?

この特定行為ですが、実に21区分(38行為)にわけられていますので、実際にどのような特定行為があるのか紹介してみたいと思います。

  1. 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
    →経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
  2. 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
    →非侵襲的陽圧換気の設定の変更
    →侵襲的陽圧換気の設定の変更
    →人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
    →人工呼吸器からの離脱
  3. 呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
    →気管カニューレの交換
  4. 循環器関連
    →一時的ペースメーカの操作及び管理
    →一時的ペースメーカリードの抜去
    →経皮的心肺補助装置の操作及び管理
    →大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
  5. 心嚢ドレーン管理関連
    →心嚢ドレーンの抜去
  6. 胸腔ドレーン管理関連
    →低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及び設定の変更
    →胸腔ドレーンの抜去
  7. 腹腔ドレーン管理関連
    →腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。)
  8. ろう孔管理関連
    →胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換

    →膀胱ろうカテーテルの交換
  9. 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈 カテーテル管理)関連
    →中心静脈カテーテルの抜去
  10. 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
    →末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入
  11. 創傷管理関連
    →褥(じょく)瘡(そう)又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去
    →創傷に対する陰圧閉鎖療法
  12. 創部ドレーン管理関連
    →創部ドレーンの抜去
  13. 動脈血液ガス分析関連
    →直接動脈穿刺法による採血
    →橈骨動脈ラインの確保
  14. 透析管理関連
    →急性血液浄化療法における血液透析器又は血液透析濾過器の操作及び管理
  15. 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
    →持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整
    →脱水症状に対する輸液による補正
  16. 感染に係る薬剤投与関連
    →感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与
  17. 血糖コントロールに係る薬剤投与関連
    →インスリンの投与量の調整
  18. 術後疼痛管理関連
    →硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整
  19. 循環動態に係る薬剤投与関連
    →持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整
    →持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
    →持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
    →持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
    →持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
  20. 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
    →抗けいれん剤の臨時の投与
    →抗精神病薬の臨時の投与
    →抗不安薬の臨時の投与
  21. 皮膚損傷に係る薬剤投与関連
    →抗癌剤その他の薬剤が血管外に漏出したときのステロイド薬の局所注射及び投与量の調整